西中国山地の芸北周辺は中世からタタラ製鉄がおこなわれており、
上流の砂鉄採掘の残土が流れて堆積したのが河口の広島デルタであり、
そこにモノツクリ産業が発展し、都市が生まれました。
一説ではこの地の江戸期の生産量は日本の約10%であり、
太田川の水運によって下流に運ばれ、瀬戸内海を渡り近畿に運ばれていました。
(その頃は氾濫防止のために太田川水系の砂鉄採取は禁止されており、
石見地方の砂鉄を馬で運んで西中国山地の木炭で製鉄していました。)
芸北一帯は、
大陸から伝わったモノツクリ文化を、山陰から瀬戸内に伝えた聖地であり、
太田川はその大動脈といえます。
こうした歴史を振り返り、
未来に向けてのアーチ(交流)を描くのが、今回のワークショップの趣旨。
午前の部
小西正明先生の野外講演のテーマは、鋳物やタタラ製鉄や刀について
参加は、広島工業大学、広島県立技術短期大学校、大和重工、大和ハウス、風炎窯
約30名の参加でした。
●鋳物が生まれたのはメソポタミア文明(銅)
●日本では弥生時代
(北九州が発祥とされていますが北朝鮮の鉄スクラップを再利用していたとの説あり)
●のち、奈良の大仏、貨幣、ナベカマ、五右衛門風呂、梵鐘、灯篭など
●現在、車、鉄道、船舶、橋梁、加工機械、景観アウトドア製品など
学校と違ったアウトドア講演は先生も始めてのようで、
爽やかな風に吹かれて、楽しかったですね。
午後の部
お楽しみのダッチオーブンの調理体験が始まりました。
昨年は4連発でしたが、今年はナント6連発!
MENU
●コンビーフシチュー
●鮎めし
●手羽先のロースト
●ポテトのパンケーキ
●骨付ローストチキン&チーズ
太田川の中流にある大和重工のかまどんダッチオーブンは、
五徳がセットされていますのでブチクソ便利なのです。
アウトドアでは多少焦げたり燃えたりしても気になりませんし、
ワイルドな味がいたします。
オマケの部
薪割して、火熾して、シートで怪しく囲って・・・
ジャンケンして、負けた学生が裸になって、アソコをタオルで隠して・・・
湯があふれて、タオルを頭にのせて、カメラ撮影にピース・・・
いい湯だね!
昭和の頃、普通の家庭は五右衛門風呂でした。
木で浮いてくる底板にウマク乗りながら沈んで、
肩まで浸かれば芯から体が温もる。
大和重工さんでは需要が減っても、アウトドアや災害用として作り続けておられ、
恐らく今でも作り続けている唯一のメーカー。
たたら製鉄の歴史が流れる鋳物製品なのです。
今回は残念ながら製鉄跡地の見学は、時間の都合で叶いませんでした。
(片道2時間の日帰り)
次回に向けてそのあたりの修正が課題として残りました。
PS
帰りに、まったく歴史の無い風炎窯で、コジツケのような「たたらカレー」を
大和重工の営業の方が食べてくださいました。
体験プログラム提案シート 記入者 林 俊一 所属団体 太田川アクティブアーチ事務局
■■ たたら製鉄の歴史 & 鋳物によるアウトドア体験
分類 地域認知・産学連携・情報発信 ターゲット 大学生
● 開催場所 北広島町 聖湖 ダイワハウス別荘地
● 担当コーディネーター 林 俊一
● 担当インストラクター 小西正明(広島工業大学) 大和重工、ダイワハウス社員、風炎窯
● 期間 2010年6月13日(日)
● 受入時間 10:00〜 所要時間 10:30〜14:00 約210分
● 参加人数 大学生、関係者30名
● 開催回数 一回のみ
● 交通手段 大学所有のマイクロバス 駐車場あり
● 参加料金 無料 会場費食材費は企業負担
● スケジュール
あいさつ 趣旨説明 10分
野外講義 たたら製鉄 鋳物の歴史 産業 50分
アウトドア体験 薪割り ダッチオーブン調理 五右衛門風呂体験 60分
食事 30分
後片付け 掃除 30分
休憩 アンケート 感想文 30分
現地視察 カナクソ、石垣などが山中に放置されたままのタタラ製鉄跡 (都合により中止)
BLOG発信は太田川アクティブアーチ事務局で後日に行います。
● プログラムのねらい
教室を離れたフィールドワークとして、
モノツクリ産業の成立過程と太田川の役割を大学生に体感してもらう。
企業と大学生の交流から生まれる職業意識の向上。
調理器具として鋳物を使うことでその特性を体感する。
デジカメ撮影、コメント作り、BLOGにより地域の認知(ブランド)向上に貢献する。
産学連携の今後のあり方を探る。
● 用意するもの 筆記用具 軍手 タオル
● 予約先 太田川アクティブアーチ事務局
TEL・FAX 0826−22−2273
MAIL info@fuuen.com
● 助成 エネルギア文化・スポーツ財団
● 協賛 大和重工 ダイワハウス 日新林業 風炎窯
以下、2009年度 広島市立大学参加によるタタラ製鉄跡の探検