たたらの森の仲間たち 〜ウンコチャンズの大活躍〜
プロローグ 鉄からみた日本の近代化




カチカチ・・・ さあ始るよ〜
たたらの森に隠れてる「ウンコチャンズ」の話しだよ〜


自己紹介 木漏れ日



ヤッホ〜
私の名前はカナメちゃん、隠れているのはカナクソくん。
2人合わせて「ウンコチャンズ」 宜しくね〜
これから始まる話は、
むかし、むかし、森の中で作られていた「スゴーイ鉄」の話です。
ウンウン
その様子を描いた、「古い絵巻物」を見てみましょう。

江戸時代の操業 加計隅屋鉄山絵巻



これは、江戸時代の「たたら製鉄」です。
四角い粘土の炉の中に、フイゴの風がゴーゴーゴー!
砂鉄と炭をドンドン入れて、赤い炎がゴーゴーゴー!
下の穴から赤くトロケ出ているのが鉄です。
その時の「不良品」がカナクソです。 ゴミのように捨てられました。
「たたらの森」って、どこにあるのでしょう?

たたら場跡 水梨



お〜い!カナクソくん。 こっちにおいで〜
この辺で「たたら製鉄」やってたのよ。
地面を掘ると、捨てられた「カナクソ」が、たくさん出るのよね〜 ウンウン
あっ、そこ、気を付けてね。
石垣の隙間にはカナクソヘビが隠れてて、噛まれると死にます。
少し、まわりを散歩しよう♪

蛇杉橋 豊かな森



ヤッホ〜
豊かな森に包まれて、川には大きな石がゴロゴロ・・・
耳を澄ませば、いろんな音が聞こえるわ!
ザワザワと葉っぱが揺れる音・・・ 鳥の声・・・
ウンウン
だんだんと大きな岩が迫ってきたわ!

猿飛 岩・渡し船



ワオ!
岩の割れ目を、川がゆっくりと流れている。
さあ、船に乗るわよ。 ユレルユレル・・・
狭くて、通るのがやっと・・・
空中では、おサルがジャンプしてるわ!
もっと、もっと歩けば・・・ 
ゴーゴーと水の音がしてきたわ!

三段滝



わーー ここは「三段滝」。
大きな滝が三つも重なっている!
もっと、もっと歩けば・・・ 海は広いな大きいな〜♪

聖湖 眠り



ここは、海じゃなくて「湖」。
こ〜んな綺麗なところで「鉄」が作られていたのです。
でもね。江戸時代が終わり、
明治時代になると「たたら製鉄」は消えて無くなりました。
ゴミのように捨てられたカナクソは、
土の中や、湖の底で、静かに眠っていたのです。
しかし、その後に大事件が起こった! ズンドコドコドコ・・・

三段滝 カナクソ復活



捨てられたはずのカナクソが甦った。
捨てられたはずのカナクソが掘り出され、運ばれ始めた。
いよいよ「ウンコチャンズ」の大活躍が始まります!
大きな煙突が伸びて、伸びて、パワーアップ!

10 大暮工場跡 角炉



芸北に大きな製鉄工場が出来た!
捨てられたカナクソを集めて焼いたら、「スゴーイ鉄」が出来た! ズンドコドコドコ・・・
カナクソを焼いた鉄は、硬くて丈夫だったので、特別な使い方がされました。
明治時代は「産業革命」の始まりです。

11 産業革命 八幡製鉄所



北九州に、西洋の技術で、ものすごく大きな「八幡製鉄所」ができた。
そこで、鉄板を延ばすローラー部分に「スゴーイ鉄」が使われたというわけ。 ゴロゴロゴロゴロ・・・・
日本は、鉄鋼石を外国から輸入することで、
たくさんの鉄を作る国になったのです。
でも、またまた思いもよらないことが起こる・・・
もっともっとスゴイスピードで、技術が進歩したのです。

12 スペースワールド 終戦



そのあと、「八幡製鉄所」が壊され、「スペースワールド」が生まれたように、
時代はドンドン移り変わってゆくばかり・・・
私たちが生きている現代は、とても忙し過ぎる時代なのです。
一方で、森の中のカナクソは、少なくなってゆくばかり・・・
再び使われなくなってしまいました。

13 丸いカナクソ 風化



あれから長い時間が過ぎて、雨が降ったり止んだり・・・
残されたカナクソは「たたらの森」から流れ出し、
河原の石コロに混ざって、バラバラと転がっています。
丸〜るく、小〜さく、なってしまいました。
「捨てられ、再利用され、残された私たちは、
いったい何のために生きてゆけばいいのでしょう?」
ウ〜ン ウ〜ン
「そうだわ!私たちの故郷に帰ってみようよ!」

14 神木 祈り



「三段峡たたらの森」の奥深く、
枯れて倒れそうなお婆さんの木があります。
それは昔、「たたら製鉄」で働いていた人達が、
鉄がうまく出来ますようにと、毎日祈っていた木の神様!
手を合せ、目を閉じて、静かに感じてみよう!
森はつながっている! 森は回っている!
みんな! 「たたらの森の仲間たち」になろうよ!
恥ずかしがりやのカナクソくんも待ってるしね。 カナメちゃんは、
森のことばかり考えるから、
頭から芽が生えたんだね。
あれ? 僕にも少し生えてきたぞ!