・・・ ひるまえインタビュー ・・・




NHK広島放送局 ひるまえインタビュー 11:38〜11:55 スタジオにて
ゲスト 太田川クラフトフェスタ実行委員長 林 俊一さん 2007年5月21日(月)放送分

冒頭

今日のゲストは林俊一さんです。
林さんは、安芸太田町加計の陶芸家です。

・作品を作りながら太田川に興味を持ち始めました。 (作陶中の写真)
・太田川上流域で工芸作家たちの交流が進み、地域が少しでも活性化すればと思い始めています。
・モノツクリと一緒にイベントの企画を続ける林さんにお話を伺います。


● 太田川に関心を持つまで
  ゲストの林俊一さんです。宜しくお願いいたします。

Q 林さんは加計のご出身。 倉敷・沖縄と修行されて、戻ってきたのはどうして?

A Uターンして18年になるのですが、これといって大した理由はありません。
  鮎が川を遡上する気持ちは、何となく解りますので、そんなもんですかね。

Q 林さんの作品をお持ち頂きました。
  オヤニラミ&サンショウウオ&カエル・・・ 風貌に似つかわしくないカワイイ作品ですね。

A よく言われます。

Q 40歳過ぎて身近な太田川に関心を持ち始めたのは何故?

A 窯を開いて10周年の時、工房イベントを開いたのですが、
  その時参加した九州の作家が、太田川を見てエラク感動していたんですよ。
  それがきっかけですね。

  工房のスグ裏が太田川で、24時間せせらぎが聞こえているのですが、
  それまではアタリマエ過ぎて、空気のようなものでした。


● 太田川上流域の作家 (川の写真)

Q ここでどんな川なのか改めて。 
  廿日市市吉和の冠山を源流として、安芸太田町を通って、広島市の河口までおよそ100kmの川。

Q 上流域で作られている工芸品を知って頂くために、作品を持って来てくださいました。(映像)

A 上流域には、伝統的な木工品が多いです。西中国山地の恩恵ですね。

  シャモジは宮島が有名ですが、素材の供給は上流域で、
  最盛期には30軒もあったシャモジ屋さんですが、最後の一軒のオタマジャクシです。
  こちらの茶器はとても緻密な作りで、黒柿は貴重な素材になってしまいました。
  途絶えた漆器を復興させようと頑張っている若者の作品もあります。

  最近では、染織・ガラス・彫金などがあります。

Q 何人くらいの人が。

A 上流域でモノツクリを仕事としている方は20名くらいですかね。

Q 具体的どんな方達ですか?

A 伝統職人から個人作家、修行を重ねた方から、趣味が高じた方までイロイロ・・・
  ジャンルもイロイロ・・・
  世代も、若い方から長老までイロイロですね。

Q 流域の作家に目が向くようになって気付いた事があるそうですが?

  はい。モノツクリの生き様は、一つのモノサシでは計れないという事です。


● 太田川クラフトフェスタ

Q 林さんは3年前から「太田川クラフトフェスタ」というイベントを始めた。どんな思いで始めたのか?

A 始めに考えたのが、個性の強い人がぶつからないように、会場を分けて複数にすることと、
  クラフトマン自らが主体的に運営する事でした。

  もともとクラフト人口が少ないですので、広く、県外からも参加できる会場も作りました。

  タイトルの太田川は、交流を、
  キャラクターのオヤニラミは、元気をイメージしています。

補 クラフトとは、陶芸や木工、染物など、生活に密着して使える工芸品のこと。

Q 今、クラフトフェスタに関わる人はどれくらいいるの?

A 実行委員として実働している人は僅かですが、出展工房もそれなりに手伝ってくださいます。
  また、見えないところで、たくさんの方に助けてもらっています。


● 可能性を探るイベントを詳しくご紹介。

Q 今回のクラフトフェスタは、太田川上流域の3会場に分けて開かれる。
  主なものを。先ほどご覧頂いた工芸品の展示。そして、写真をご覧頂きましょう。

Q 風炎フェスタ。どんな事してるのでしょうか? (写真)

A 私の工房ですが、陶芸展や山野草展や産品やカフェ、4日から蕎麦打ちもやろうと思います。
  工房の裏が太田川ですので、せせらぎの聞こえる気楽な会場です。

Q 掌展はどんな内容ですか? (写真)

A こちらがメイン会場になりますが、全国各地から30名の作家が集まります。
  職業として誠意を持って製作された、多彩なジャンルの作品展です。

Q このような展示会は他でもよく見ますが・・・

A はい。クラフトイベントは全国的に盛んですね。
  この会場の特徴は、作者自ら接客するうえに、主体的に企画運営しています。

  皆で、いろんなアイディアを出し合ってカタチにしていますので、
  チームワークもバツグンですし、秘密のお楽しみ企画もあります。

Q フェスタを通して地域の工芸家に変化はでてきたの?

A 地域愛の強い人は、県外者の多い状況に違和感がありますが、
  一方では、若い人の参加が増えてきました。

Q モノツクリに関して変化は生まれましたか?

A お客様や出展者から新しいアイディアがもらえるのは、イベント交流のメリットです。

Q フェスタを通して地域にどう貢献するの?

A 地域イベントは、景勝地やハコモノありきのところ多いですよね。

  太田川クラフトフェスタは複数会場ですので、
  その時その時で、場所と内容を変えながら、それらのイベントと絡み、
  良いスパイスになりたいです。

Q 今後、地域のためにフェスタをどんな風に変えてゆきたいですか?

A 流域からの参加が増えて欲しいですね。
  また、県外からの参加があれば、応援したいと思います。

  正直なところ、いつも試行錯誤です。

  地域のシガラミや、田舎が都市をもてなすという、これまでのカタチを壊し、
  川や自然を共有の財産として、楽しく交流したいものですね。


● PS

Q 林さん自身、故郷の見方は変わりましたか?

A はい。土地が狭く閉鎖的なイメージを持っていましたが、
  太田川の歴史をたどってみると、モノツクリの交流がありました。

  たたら製鉄も、木工も、漆も、ヨソモノが上流域にもたらしたもので、
  やがて、太田川を筏で下り、広島にモノツクリ産業が成立しました。

  太田川クラフトフェスタも、現代なりの交流の場でありたいですね。

Q 今年のフェスタへの意気込みは?

A 今回、参加工房が大幅に増えました。
  それと、広島駅からのバスツアーもありますので、多くの来場をお待ちしてます。

  クラフトとは生活に身近な工芸品ですので、
  皆様に楽しんでいただけることを、励みに頑張ります。


● まとめ・・・
   日時・内容紹介
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  ありがとうございました。






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