「龍姫湖おろち伝説〜その3」
「ジョーキマンのかほり」
「ROUTE191〜鉄の歴史から生まれたLOVESTORY」


@ 「アーチリングの階段を登ってきたオチヨ」



【NA】
  ここは温井ダム。
  春の陽気に誘われて、お山の「サクラ」が咲き始めました。
  いつもなら、龍姫湖の底に住んでいる「おろちのオチヨ」が、
  アーチリングの階段を登ってきました。

【オチヨ】
  「ぷっは〜」「わあ〜」
  「山のサクラが綺麗で癒されるわ〜」
  「でも私は、やっぱり、花よりダンゴ」
  「何だか、お腹が空いてきたわ〜」
  「んっ?
これは?」
  「何だか、いいかほり?」

  「何だか、加計の方から匂ってくる感じ〜」

【NA】オチヨは、温井ダムを飛び越えて「月ヶ瀬」に向かいました。

A 「月ヶ瀬のサクラを眺めるオチヨ」





【オチヨ】
  「わあ〜」「月ヶ瀬の桜は満開だわ〜」
  「でも私は、やっぱり、花よりダンゴ
  「んっ?」
  「ジョーキマンのかほりだわ〜」
  「ジョーキマンは何処しら?」

【NA】
  オチヨは、用水路に潜り込み、
  あちこちのマンホールの蓋を開けながら、
  商店街の様子を眺めました。

B 「商店街を散歩しながら食べまくるオチヨ」



【オチヨ】
  「ジョーキマンが見つからないわ〜」
  「あれれ?」「タイヤキくんと間違えたかな?」
  「あれれ?」「鮎最中ちゃんと間違えたかな?」
  「あれれ?」「貴方たち、そういう関係だったの?」
  「うぇ〜〜ん」「ジョーキマンは何処なの?」

【大倉】
  「おお、泣いているのはオチヨじゃなあか〜」
  「久しぶりじゃのう」
  「ジョーキマンは、もちいと太田川の下におるかもしれんけえのう」
  「行ってみんさいや〜」

B 太田川をサップで下るオチヨ



【NA】
  オチヨはフレスタで花見弁当を買いました。
  オチヨはそれを月ヶ瀬公園で食べたあと、
  サップに乗って、太田川をゆっくりと下ってゆきました。
  ドンブラコ、ドンブラコ・・

【オチヨ】
  「わあ〜」「チューリップのサクラも満開だわ〜」
  「わあ〜」「ヒロテックの梅も残ってるわ〜」




【NA】
  満腹になったオチヨは、眠くなってきたので、
  河原に降りて昼寝をしました。

  そして、昔の夢を見たのです。
  昔の太田川は、木で作った船や筏にイロイロなものを載せて、
  月ヶ瀬から、可部や広島へと運んでいました。
  荷物は、たたら製鉄、木炭、紙など。

C 昔の川舟に揺られながら・・・




【オチヨ】
  「ひえ〜」「荷物が一杯で沈みそうなボロ舟だわ〜」
  「ひえ〜」「おじさんの櫂さばきがヘタクソだわ〜」
  「ひえ〜」「揺れすぎだわ〜」
  「ひえ〜」「水しぶきでビショビショだわ〜」
  「ひえ〜」「岩が迫ってくるわ〜」
  「おじさん、怖いよう」

【大倉2】

  「もちいとで、休憩所の船場に着くけえのう」
  「もちいと、我慢しんさいよ〜」

【NA】
  オチヨは夢の中で、ゲロを吐きそうになるのを我慢しました。
  目覚めると、そこには夢のような桃源郷が広がっていました。

D 「安野はなまつりで感動するオチヨ」





【オチヨ】
  「わあ〜」「ここはいったい何処かしら」
  「わあ〜」「サクラが満開だわ〜」
  「わあ〜」「桃色の桃が満開だわ〜」
  「わあ〜」「黄色いレンギョウが満開だわ〜」

【NA】
  花のトンネルをくぐり抜けると・・
  ステージから神楽の音色が聞こえてきました。

【オチヨ】
  「あれ?」「ここにも、怖い鬼がいるのね〜」
  「うん?」「わたしを睨まないで〜」
  「そうだ」「あそこに隠れよ〜っと」

E 「黄色いジーゼルカーの中で・・」



【NA】
  オチヨは、黄色いジーゼルカーに逃げ込み、助けを求めました。

  窓の外を眺めていると、

  遠くから、大きな音が聞こえてきました。

  バタバタバタ・・・

F 「ジョーキマン参上」

【ジョーキマン】
  「正義の味方、クリエイティブな、ジョーキマン参上!!」

【オチヨ】
  「あなた、もしかして変わり者??」

【ジョーキマン】
  「そうです。そういうあなたも変わり者ですね!!」
  「おお神よ、運命の出会いですね!!」

G 「戊辰戦争」「たたら製鉄」



【ジョーキマン】
  「ボクは、萩の近代化の歴史が生んだスイーツさ」
  「どうして、加計に伝わったかは、解らないけどさ」
  「鉄の型を使って、炭火で焼くから美味しいのさ」

【オチヨ】
  「あたしは、出雲に鉄を伝えたオロチなの」
  「炭火で砂鉄を焼いて、鉄を作るの」
  「最近、訳あって温井ダムに出戻りしたの・・」

【オチヨ&ジョーキマン】
  「鉄と炭でつながった、訳ありの私たち、イェイ・・」
  「一緒に飛行艇に乗りましょう」

H 「飛行艇・プロペラ船」



【NA】
  飛行艇とは、小さな川舟に戦闘機のエンジンを積んで、
  プロペラを回して動く変わった乗物です。
  川舟が廃止されたあとの一時期、太田川で運行されていました。

  (画像は江の川、戦闘機のエンジンではありません)

【ジョーキマン】
  「僕は今、津波のぷらっとホームに出張中さ」
  「いっしょに乗って行こうぜ」
  「パワフルだから、スグ着くさ」


【オチヨ】
  「何これ?」「バタバタとうるさいわね〜」
  「ジョーキマンの声が、全然、聞こえないわ〜」


【NA】
  バタバタバタ・・・
  津波のぷらっとホームは、「春祭り」の最中で、
  マルシェが賑やかです。
  あれれ?

I 「カタクリの花」



【NA】
  飛行艇から降りたジョーキマンは、
  オチヨの手を引っ張り、津浪の裏山に登ってゆきました。

【ジョーキマン】
  「満開のサクラも良いけど、オチヨちゃんに見せたいものあるんだ」
  「これはカタクリという花さ」

【オチヨ】
  「ふむふむ・・」
  「花よりダンゴよりマンジュウより美味しそう」
  「時々しか会えない私たちにピッタリな花だわ」

【ジョーキマン】
  「僕は忙しいから、ここから応援して欲しいのさ」
  「加計校生も応援してくれるしさ」
  「じゃあ、またね」

【NA】
  オチヨは夕方まで、
  賑やかなマルシェで大活躍のジョーキマンを、
  カタクリの咲く山の上から、うっとりと、眺めていました。


J 加計高が参加する蒸気饅頭マルシェ




【加計高生】
  「蒸気まんじゅうは如何ですか〜」
  「お祭り限定ですよ〜」
  「山のなかで戦艦は変ですか〜」
  「鉄と炭の遠赤外線ビームですよ〜」
  「甘くてパリパリですよ〜」

  「インスタ映えしますよ〜」

【NA】
  あれれ?
  いつの間にか、オチヨの姿が見えなくなってしまいました。

K 「星月夜」「アーチリング」に戻ったオチヨ



【NA】
  星と月がきれいな夜・・
  お花見を楽しんだオチヨは、ジョーキマンと別れ、
  温井ダムのアーチリングに戻っていました。

【オチヨ】
  「何だか淋しいわ」
  「今ごろ、ジョーキマンは何してるかしら??」
  「この淋しさは、いったい何なの??」

【NA】
  オチヨは、カナメちゃんの御守りを抱いて眠りました。
  真実の愛は、淋しいものかもしれませんね。

  さあ皆で、オチヨを応援しましょう♪

【全員】
  TattaLoverSONG

   タッタラバー・・・・・・
   カナカナ何故かなジョーキマン どうして加計にきたのかな?
   カナカナ何故かなオチヨちゃん どうして戻ってきたのかな?

    鉄から生まれた私たち 祭りで出会って 転がった

   カナカナ何故かなジョーキマン どうして加計にきたのかな?
   カナカナ何故かなオチヨちゃん どうして戻ってきたのかな?

   タッタラバー・・・・・・

  FIN

  PS:このシナリオは紙人形劇用です。
     シナリオ修正してもかまいません。
     どんどん工夫して活用ください。