龍姫湖おろち伝説〜愛の呪文 (幼児向け) 絵 いくまさ鉄平 |
1
解説) この紙芝居は、温井の民話をもとに、
加計小学校の児童、加計高校の生徒が作りました。
紙芝居の途中に、呪文がたくさん出てきます。
皆も歌ってもらいますので、練習するよ〜
せ〜の 「タッタラバ〜、タッタラバ〜、タタラバタタラバ♪」
NA) むかしむかしのお話です。
ここは温井の山の中。
貧乏暮らしの甚六が、炭焼きのために、せっせと薪を集めていると、
不思議な生き物に出くわしました。
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2
甚六) 「ふんぎゃー、な、なんじゃぁ おまえは??」
お千代) 「はじめまして。 甚六さん。 私は龍のお千代です。」
甚六) 「しゃ、しゃべったー! りゅ、龍が、なしてワシの名前を知っとるんじゃ?」
NA) 甚六は、こしが抜けそうになりました。
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3
お千代) 「甚六さん、お願いです。 私と結婚してください。」
「大昔から、私の結婚相手は”温井の炭焼き男の甚六さん”と決まっているの。」
NA) お千代は、そういいながら、手に持っていた”ズタ袋”を甚六に渡しました。
甚六) 「いきなり何じゃ?」 「何じゃ、こりゃ?」
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4
お千代) 「カナクソのカナメちゃんです。」
甚六) 「カナクソゆうたら、鉄を作る時に出るカスじゃろうが。」
「なんぼうワシが貧乏でも、そがあなもん、いらんで〜。」
お千代) 「まあまあ、そういわないで。」
「このカナメちゃんは、普通のカナクソとは違うの。」
「炭焼き窯で真っ赤に焼き上げながら、”ひみつの呪文”を唱えましょう。」
NA) 甚六は、”ひみつの呪文”というのが気になったので、
お千代を、自分の”炭焼き窯”に連れて行きました。
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お千代) 「それじゃあ、”呪文”を教えてあげますね。」
「いいですか?」
(みんなも言えるかな?→こどもたちに)
せ〜の 「タッタラバ〜、タッタラバ〜、タタラバタタラバ♪」
「さあ、炭焼き窯に火を入れて。」
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6
NA) 甚六は言われた通り、炭焼き窯に火を入れました。
小さな”ふいご”で風を送ると、どんどん燃え上がって真っ赤になってゆきました。
ゴーゴーゴー
熱くなったところで、カナメちゃんを投げ入れました。
さあ、みんなも一緒に呪文を唱えましょう。
せ〜の 「タッタラバ〜、タッタラバ〜、タタラバタタラバ♪」
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NA) すると、どうしたことでしょう。
真っ赤になったカナメちゃんが、ピカピカと輝いて、小判に変わったではありませんか。
甚六は目を丸くするばかりです。
甚六) 「こりゃあ、えらいこっちゃ。 こりゃあ、ブチクソ、たまげた。」
お千代) 「これで、暮らしは楽になりますね。 私と一緒に仲良く暮らしましょう。」
甚六) 「そ、そうゆうても、人間と龍が一緒にくらすゆうんは、どがあなもんかいのう。」
NA) 甚六がしぶると、お千代はにっこり笑って・・・
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8
NA) ドッカ〜ン、ぶりぶり・・ オナラが大爆発しました。
そうしたら、お千代が人間に変わったではありませんか?
でも、よくみるとちょっと変なところがありますね?
さあ、何処でしょう? (子どもたちに、角と尻尾みつけてもらう)
NA) それから、二人は、仲良く暮らし始めました。
ところが、どうしたことでしょう。
大金持ちになった甚六は、横着物になってしまい、
炭焼きの仕事を、やらなくなってしまいました。
お千代) 「こら甚六さん」 「私が愛しているのは、寝てばかりの甚六さんではありません。」
NA) お千代は、元の姿に戻り、怒りながら、頭から”角”を立てて、
温井の渕のほうへ出ていってしまいました。
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NA) 甚六は必死にお千代を追いかけました。
甚六) 「お千代〜」 「すまん、すまん、わしが悪りかった〜」
「これからは、炭焼きの仕事をちゃんとするけえ、こらえてくれんさい。」
「もういっぺん、わしんところへ戻ってきてくれんさい。」
お千代) 「どうしようかな〜」
甚六) 「たのむけえ、もういっぺん。」
お千代) 「わかりました、甚六さん。」
「それじゃあ、二人で愛の呪文を唱えましょう。」
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ふたり) せ〜の 「タッタラバ〜、タッタラバ〜、タタラバタタラバ♪」
お千代) 「わ〜い!」 「私が愛しているのは、真面目に働いている甚六さんですよ。」
「それじゃあ最後に、みんなで一緒に、愛の呪文を唱えましょう。」
みんな) せ〜の 「タッタラバ〜〜〜」
「おめでとう〜」「ありがとう〜」
NA) こうして「甚六」と「お千代」は、結婚しました。
そして、ハネムーンに旅立ちました。
挿入歌) Tatta Lover Song
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NA) 広島の温井ダムから見える「大箒山」には、昔、”鉄を運んだ坂道”がありました。
山を越えると、たたら製鉄が盛んだった「深入山」、砂鉄が取れた「井野の棚田」がありました。
その先の阿武には、日本海に沈む夕日が綺麗な「鹿島」という大小の島があり、
「夫婦島」と呼ばれています。
温井で仲直りした甚六とオチヨは、ここで「夫婦円満」の祈願をしました。
それから 「角のない和牛のハンバーグ」と「蒸気まんじゅう」を食べましたとさ。
「タッタラバ〜♪」
挿入歌) Tatta Lover Song
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